映画『どうすればよかったか?』とは|あらすじ・監督・自主上映会での観方まとめ

『どうすればよかったか?』は、統合失調症を発症した姉と、精神科の受診を拒み続けた医師の両親を、実の弟である藤野知明監督が20年にわたって記録したドキュメンタリー映画です。2024年12月7日に公開され、興行収入1億円を超えて全国100館以上へ拡大上映されました。

派手な事件が起きるわけではありません。それでも観た人が自分の家族について語り始めてしまう作品として、劇場公開後も各地の自主上映会で上映が続いています。

作品概要

監督・製作年・上映時間など『どうすればよかったか?』の基本情報をまとめた図

項目 内容
作品名 どうすればよかったか?
監督 藤野知明
製作年 2024年
製作国 日本
上映時間 101分
劇場公開日 2024年12月7日
配給 東風

2026年7月時点の情報です。

あらすじ

20年という長い時間が家族の上を過ぎていったことを表した抽象的なイラスト

医学部に進学した姉に、ある時期から統合失調症とみられる症状があらわれます。ところが、ともに医師である両親は姉を精神科に受診させることを拒み続けました。

治療につながらないまま状況は悪化し、やがて家の玄関には鎖と南京錠がかけられ、姉は家の中に閉じ込められていきます。弟である藤野監督がカメラを回し始めたのは、その家族の中でした。姉が実際に医療につながったのは、発症からおよそ25年が経ってからのことです。

作品には、家族を救う劇的な解決も、悪者として糾弾される誰かも出てきません。ただ、時間だけが過ぎていきます。

この作品が語られ続ける理由

答えの出ない問いが観客自身に向けられることを表した図

タイトルがそのまま観客への問いになっていることが、この作品の特異な点です。

医師である両親が、なぜ娘を精神科に連れて行かなかったのか。近くにいた弟は、なぜもっと早く動けなかったのか。作品はその答えを提示しません。監督自身が「この映画は失敗例」と語っているとおり、正解を示す作品ではなく、正解にたどり着けなかった記録として差し出されています。

だからこそ観た人は、自分の家族のことを考えます。介護をどうするか決められないまま先延ばしにしている親のこと、様子がおかしいと気づきながら踏み込めていない身内のこと。「あの家庭の特別な話」で終わらないため、上映後に沈黙ではなく会話が生まれます。

この作品が劇場公開後も自主上映会で選ばれ続けているのは、そうした性格によるものです。精神保健や家族支援に関わる団体、当事者家族の会、医療・福祉の専門職の集まりなど、上映後に話し合う場をあらかじめ持っている主催者と相性がよい作品といえます。

自主上映会で観るという選択

上映後に少人数で車座になって話し合う参加者たち

『どうすればよかったか?』のように重いテーマを扱う作品は、ひとりで観て、ひとりで抱えて帰るのが一番つらい観方かもしれません。

自主上映会では、上映後に感想を共有する時間や、監督・専門家によるトークが設けられることが多くあります。同じものを観た人が同じ部屋にいる状態で言葉にできることには意味があります。精神疾患のある家族を抱えている人にとっては、自分だけではないと知る場にもなります。

てんぐシネマ倶楽部では、東京・埼玉・神奈川・山梨で開催される自主上映会を毎日自動で収集しています。この作品の上映予定があるかどうかは、開催予定の上映会一覧で確認できます。

自主上映会そのものの仕組みや、自分で上映会を開きたい場合の手順は「自主上映会とは?やり方・費用・会場・上映可能な映画まで初心者向けに完全ガイド」で解説しています。

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よくある質問

上映会場で配布資料を読んでいる来場者の手元

Q. 『どうすればよかったか?』はどこで観られますか。 A. 劇場公開は終了していますが、各地の自主上映会で上映が続いています。1都3県での上映予定は開催予定の上映会一覧で確認できます。配信状況は配給会社(東風)の公式情報をご確認ください。

Q. 上映時間はどのくらいですか。 A. 101分です。

Q. 監督はどのような人ですか。 A. 藤野知明監督は、作品に登場する姉の弟にあたります。家族の当事者としてカメラを回した20年分の記録が本作です。

Q. 精神疾患について知識がなくても理解できますか。 A. できます。医学的な解説を目的とした作品ではなく、ひとつの家族に起きたことの記録です。ただしテーマの性質上、身近に同様の経験がある方は心の準備をしてご覧ください。

Q. 自分たちで上映会を開くことはできますか。 A. 配給会社から上映権を取得すれば可能です。手順と費用の目安は自主上映会の完全ガイドにまとめています。

まとめ

上映後の会場を出る参加者と、外に広がる夕暮れの空

『どうすればよかったか?』は、答えを与えてくれる映画ではありません。20年分の記録を観たあとに残るのは、タイトルどおりの問いです。

その問いは、ひとりで持ち帰るより、誰かと分け合ったほうが軽くなります。上映後に話せる場がある自主上映会は、この作品にとってふさわしい観方のひとつです。近くでの上映予定は開催予定の上映会一覧からご確認ください。


※本記事は作品の紹介を目的としています。精神疾患に関する診断・治療については医療機関にご相談ください。

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