アフガニスタンで用水路を引き、2019年に現地で亡くなった医師・中村哲さん。その35年間の活動を記録した映画が『荒野に希望の灯をともす』です。
「観たいけれど、どこで観られるのか分からない」という方に、最初に結論をお伝えします。この作品を観る方法は3つあります。①各地で開かれる上映会に行く、②DVDを買う、③自分で上映会を開く。 動画配信サービスでの配信は、2026年7月現在確認できていません。
そして、この作品には他のドキュメンタリーにはない大きな特徴があります。非営利の上映なら、DVDを買うだけで上映会を開けるのです。詳しくは後半で説明します。
なお、タイトルは「荒野に希望の灯をともす」が正式表記です(「灯り」と書かれることもありますが同じ作品です)。読み方は「こうやにきぼうのひをともす」です。
配信・DVDの状況

| 観る方法 | 取り扱い |
|---|---|
| Amazonプライムビデオ | 確認できず(公式の配信案内なし) |
| Netflix | 確認できず |
| U-NEXT | 確認できず |
| DVD(販売) | あり(2,970円・税込) |
| 上映会・劇場 | あり(全国で継続的に開催) |
※2026年7月時点。公式サイトに配信の案内はありません。DVDが正規に販売されているため、確実に観たい場合はDVDか上映会が確実です。
まず整理:劇場版とDVD版は別物

この作品を探すとき、最初につまずくのがここです。「劇場版」と「DVD」は、内容が一部異なる別バージョンです。公式サイトにもその注意書きがあります。
| 劇場版 | DVD版 | 短縮版DVD | |
|---|---|---|---|
| タイトル | 劇場版 荒野に希望の灯をともす | 荒野に希望の灯をともす~医師・中村哲 現地活動35年の軌跡~ | 同(短縮版) |
| 時間 | 90分 | 88分 | 45分 |
| 公開・発売 | 2022年7月23日公開 | DVDで販売中 | DVDで販売中 |
| 価格 | 劇場・上映会で鑑賞 | 2,970円(税込)※ライブラリー価格8,910円 | ライブラリー価格8,910円 |
つまり「映画館で観たあの作品をDVDで」と思って買うと、少し違う編集のものが届きます。逆に言えば、両方を観ると違いを楽しめるということでもあります。45分の短縮版は、学校の授業や短い時間の上映会に使いやすい長さです。
観る方法①:上映会・劇場で観る
『荒野に希望の灯をともす』は2022年の公開後も、全国のミニシアターや市民主催の上映会で上映され続けています。2019年に中村哲さんが亡くなった12月や、平和について考える8月に上映が増える傾向があります。
てんぐシネマ倶楽部では、東京・埼玉・神奈川・山梨の自主上映会情報を毎日自動で集めています。この作品の上映会が見つかっている場合は、以下に表示されます。
東京・埼玉・神奈川・山梨で予定されている上映会0件(2026年8月24日時点)
いまのところ、1都3県で予定されている上映会は見つかっていません。このリストは毎日自動で更新されるので、 少し時間をおいてまた確認してみてください。
全国の上映会は公式サイトの上映情報で確認できます。近くで開かれていないときは、自分で上映会を開くという方法もあります。
全国の劇場・上映会情報は公式サイトにまとまっています。1都3県で見つかっていないときも、このリストは毎日更新されるので時間をおいて確認してみてください。
観る方法②:DVDを買う
製作元の日本電波ニュース社から、DVDが直接販売されています。
- 個人向け:2,970円(本体2,700円+税)+送料
- ライブラリー価格:8,910円(本体8,100円+税)+送料
ライブラリー価格は図書館・学校などの施設向けですが、この価格で買うと上映会での利用が認められるという重要な意味があります(次のセクションで詳しく説明します)。
購入は日本電波ニュース社のDVDページから申し込めます。
観る方法③:自分で上映会を開く
近くで上映がないなら、自分が主催者になる道があります。そしてこの作品は、小さく始めたい人にとって国内でもっともハードルの低いドキュメンタリーのひとつです。
上映料はいくらか

日本電波ニュース社の上映申込ページに、料金が明記されています。
上映料を入れた状態で開きます。会場費やチケット代はあとから変えられます。
入場無料・非営利で開く場合の、ライブラリー価格DVD 8,910円だけを入れてあります。チケットを取る有料上映の場合は、上映料を50,000円(税別・50席以上)に変えてください。
| 上映の種類 | 上映料 |
|---|---|
| 非営利上映 | DVDをライブラリー価格(8,910円)で購入すれば、上映料は別途不要(手続きは必要) |
| 図書館・学校のライブラリー施設 | 同上(ライブラリー価格の購入で別途不要) |
| 有料上映(客席50席以上) | 50,000円+税(回数不問・1日あたり)。2作品目以降は20,000円+税 |
| 有料上映で100人を超えた場合 | 超過分1人あたり400円+税(子どもは半額) |
ここが他作品と決定的に違う点です。『夢みる小学校』は個人・NPOでも50,000円〜、『ガイアシンフォニー』は150枚まで60,000円が必要ですが、この作品は無料の上映会なら約9千円のDVD代だけで開けるのです。
公民館の一室に十数人集まって観る、学校の授業で観る、お寺や教会で追悼の会として観る——そうした小さな上映が現実的にできる設計になっています。中村哲さんの活動を伝えたいという主催者の気持ちに、料金体系のほうが寄り添っているように見えます。
もちろん、チケットを取って本格的に開くなら有料上映の料金(50,000円+税)が必要です。その場合は当サイトの収支シミュレーターで「何人集めれば赤字にならないか」を確かめてから動くと安心です。
申し込みの窓口
- DVDの購入・上映の申し込み:日本電波ニュース社(劇場版の専用申請用紙も用意されています)
- 自主上映の配給:協同組合ジャパン・スローシネマ・ネットワーク(JSN)に委託されています(TEL 022-225-0986)
上映会そのものの進め方(会場探し・告知・当日の運営)は、自主上映会の開き方 完全ガイドにまとめています。
中村哲さんとはどんな人だったのか
1946年、福岡市生まれの医師。1984年にパキスタンのペシャワールへ赴任し、以後35年にわたってパキスタン・アフガニスタンで活動しました。
大きな転機は2000年の大干ばつでした。病気の子どもを診ても、水がなければ命は救えない。そう考えた中村さんは「100の診療所より1本の用水路」と言い、自ら重機を操って用水路を引き始めます。2010年には総延長25kmを超える用水路が完成し、約10万人の農民が暮らせる大地がよみがえりました。
2019年12月4日、アフガニスタン東部ジャララバードで車で移動中に銃撃され、73歳で亡くなりました。同乗していた運転手や警備員5名も亡くなっています。アフガニスタン政府から国家勲章(2018年)と名誉市民権(2019年)を受け、現地には追悼広場「ナカムラ」がつくられました。
この映画は、そんな35年を記録し続けたカメラマンの映像でできています。
作品の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 劇場版 荒野に希望の灯をともす |
| 読み方 | こうやにきぼうのひをともす |
| 公開 | 2022年7月23日 |
| 上映時間 | 90分(DVD版は88分・短縮版45分) |
| 監督・撮影 | 谷津賢二 |
| 製作・配給 | 日本電波ニュース社 |
| 自主上映の配給 | ジャパン・スローシネマ・ネットワーク(JSN) |
よくある疑問
「灯をともす」と「灯りをともす」どちらが正しい?
正式表記は「荒野に希望の灯をともす」です。「灯」を「ひ」と読みます。「灯りをともす」と表記されることもよくあり、上映会の告知でも両方の書き方が見られますが、同じ作品です。当サイトの上映会検索でも両方の表記を拾うようにしています。
NHKの番組とは違うの?
この映画は日本電波ニュース社の製作で、NHKの作品ではありません。中村哲さんはNHKの番組でも複数回取り上げられているため混同されやすいのですが、別のものです。長年中村さんを撮り続けた谷津賢二カメラマンの映像でつくられているのが、この作品です。
学校の授業で使える?
はい。学校や図書館などのライブラリー施設は、DVDをライブラリー価格(8,910円)で購入すれば上映料が別途不要です。45分の短縮版があるので、授業1コマにも収まります。読書感想文や平和学習の題材として中村さんを扱う場合、映像から入るのは有効な方法です。
中村哲さんの本も読みたい
『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』『医者井戸を掘る』など、中村さん自身の著書が複数あります。映画で活動の全体像をつかんでから読むと、言葉の重みが変わります。
まとめ

- 『荒野に希望の灯をともす』の観る方法は「上映会・劇場」「DVD(2,970円)」「自分で開く」の3つ
- 劇場版(90分)とDVD版(88分)は内容が一部異なる別バージョン
- 非営利の上映なら、ライブラリー価格のDVD(8,910円)を買うだけで上映会が開ける——国内でもっとも小さく始めやすいドキュメンタリーのひとつ
- 1都3県の上映会情報はこのページで毎日自動更新
用水路を引くという行為そのものが「希望の灯をともす」ことだった——その35年を、今度は観る側が受け取る番です。上映会を探すなら上映会一覧から、開く側に回るなら上映会を開くへ。
同じく上映会で広がってきた『人生フルーツ』、『ガイアシンフォニー』、『夢みる小学校』の記事もあわせてどうぞ。
